コロナ架で発展した独特のカルチャーである「ダークアカデミア」。
「Dark Academia」という独特な響きに興味を持った方も多いと思いますが、ここではそのカルチャーの全容を紹介します。
美学としての「ダークアカデミア」。その起源と特徴
ダークアカデミアとは、コロナ架で流行し始めたカルチャーの一つ。
それ以前からもSNSを通じて独特な世界観をもったカルチャーとして一部の間で人気を集めていましたが、コロナ架で学校に通えない学生などを中心に流行したと言われています。
具体的には、19世紀から20世紀初頭(1930年〜1940年代が中心)のヨーロッパの大学や文化を意識したスタイルであり、ヴィンテージのファッションをはじめ、古典文学や芸術、あるいはその周辺にある文化をややダークな印象で捉えているものが多いことが特徴です。
日本では「ハリーポッター」のような文化とされることが多いのですが、それはダークアカデミアが「大学ファッション」「歴史的な建築やインテリア」「文学的要素」「暴力的なモチーフ(死・闇・陰鬱)」という要素から形成されているため、ハリーポッターの「ヨーロッパの学校」「歴史的建築」「魔法と争い」という要素との共通性が高いためであると考察されます。
ダークアカデミア・ファッションの特徴
ダークアカデミアのファッションは象徴的なアイテムで構成されます。
まず、カラーパレットの特徴としては、以下のようなカラーを中心にダークな雰囲気を演出します。
- ブラック
- ホワイト
- グレー
- ネイビー
- ワインレッド
- ダークグリーン
- パープル
また、スタイルの中心となるアイテムはヴィンテージやクラシカルな要素を取り入れたもの。具体的なアイテムとしては以下のようなものがあげられます。
- ブレザー
- タートルネック
- カーディガン
- ローファーやオクスフォードシューズ
- ロングスカートやワイドパンツ
- 柄のスカート
- ロングコート
また、これらにゴシック・アンド・ロリータの要素を加えた以下のようなモチーフを加えることもあります。
- 大きなクロス、スカル、クリスタルなどのアクセサリー
- ソフトな印象を与える、レースやフリルが多用されます
これらの海外の大学生が好むようなスタイルや、少し暗さも感じる美しいスタイルがファッションの特徴です。
ダークアカデミアのインテリア
ダークアカデミアのインテリアにも特徴が多くあります。クラシックな素材を生かしたインテリアが特徴で、以下の要素で構成される事が多いです。これは、ゴシック建築やバロック建築の名残を感じます。
- ダークウッドや石材の内装
- レンガづくりの壁
- 鉄や真鍮のフレームの家具
- 古い書籍や便箋
- 絵画や彫刻
- レトロな照明やキャンドル
- 骸骨やカラスなどのモチーフ
特徴的なモチーフを配置し、明かりを暗くすることで、ダークアカデミアな印象を演出することができます。
ダークアカデミアの建築
また、ダークアカデミアの重要な構成要素としては建築の存在が挙げられます。
- ゴシック建築の大聖堂
- 図書館
- 美術館
- 古書店
- オペラ劇場
- コーヒーショップ
日本においてダークアカデミアを感じる建築はそれほど多くないかもしれませんが、西洋建築を探して、雨の日の仄暗いに撮影をしてみるとダークアカデミアを感じる空間になるかもしれません。
ダークアカデミアに類似したトレンド・スタイル
ダークアカデミアは知的で上品な雰囲気に、大学ファッションや暗いテイストを加えたものですが、ダークアカデミアに類似したトレンド・スタイルもすでに存在します。
- ゴシック・アンド・ロリータ
- パンク
- ヴィンテージ・古着スタイル
いわゆる「ゴスロリ」も暗黒・神秘主義・死などの退廃的なテーマであるゴシックを取り入れたファッションなので、ダークアカデミアと要素が近いスタイルといえます。ダークなカラーと特徴的なシルエット、レースやフリルの装飾、クロスやスカルなどのモチーフが特徴的です。
パンクファッションも、ダークなスタイルで、黒やグレー、赤などを基調としています。ダークアカデミアと最終的な着地点は異なりますが、構成する要素は近いものがあります。
ヴィンテージ・古着スタイルもアカデミックなヨーロッパ趣味を模したスタイルの一つといえます。特にアイビーリーグを模したスタイルやローファーやスラックス、ベージュカラーのスタイルなどは、ダークアカデミアのスタイルにも似たテイストです。
ダークアカデミアはこれらの既存のカルチャーに、知的で上品な雰囲気と暗黒的な雰囲気を加えた見慣れつつも新しいカルチャーといえます。
ダークアカデミアの様相を感じる映画
ダークアカデミアにおける文化は、古典文学、芸術、哲学、音楽などが中心ですが、映画にも独特の文化を感じることはできます。
- ブラック・スワン
- クリムゾン・ピーク
- フランケンシュタイン
- ナイトメアー・ビフォア・クリスマス
- シェイプ・オブ・ウォーター
- キャロル
- グレート・ギャツビー
他にもダークアカデミアの世界観を感じる映画はありますが、入りやすい映画を中心に紹介します。
おすすめの本
ダークアカデミアの雰囲気を演出するのであれば、古書店で洋書を買うことをおすすめしますが、カルチャーに浸るために物語を読みたいのであれば、ひとまず以下の書籍をおすすめします。
- ドリアン・グレイの肖像
- ナルシスと金色の髪の魔女
また、哲学者の書籍を読むこともダークアカデミアらしい思想に浸るためのいい選択肢といえます。
- プラトン
- アリストテレス
- シェイクスピア
おすすめの音楽
ダークアカデミアの世界観を感じるにはクラシック音楽が最適と言えます。以下はおすすめの音楽の一例です。
- 無伴奏チェロ組曲(バッハ)
- 月光(ベートーヴェン)
- 月の光(ドビュッシー)
- 惑星(ホルスト)
- 新世界交響曲(ドヴォルザーク)
- 春の祭典(ストラヴィンスキー)
すでにSpotifyなどでも独特なカルチャーはプレイリストとして誕生しているため、自分で収集せずとも楽しむことができます。
おすすめの芸術作品・絵画作品
*画像
ダークアカデミアの雰囲気を表す手段として芸術作品・絵画作品を選ぶこともおすすめです。
- エゴン・シーレ
- グスタフ・クリムト
- カラヴァッジョ
- パウル・クレー
ダークアカデミアの世界はこれから広がる
ダークアカデミアは世界で広がりつつあるカルチャーですが、特に日本ではまだ花開いているとはいえません。
ダークアカデミアの美学を理解しつつ、自分自身の探究心でダークアカデミアの世界を広げてはいかがでしょう。
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